さて、2種類の方法の中から、副作用が比較的軽いアブラキサンとジェムザールを投与する方を選んだたろ夫(たろお)は、(これから主人改め「たろ夫」と言う呼称にいたします)2015年11月11日、抗がん剤投与開始のため、入院しました。いきなり投与ではなく、全身の精密検査をまず行います。
コレステロールなど、少しの問題は別にして、特に異常はなく、2週間ほど前の血液検査では腎機能の数値が異常値でしたが、今回は正常値に戻っていたのが喜ばしいことでした。
(「治療方法 コーケントー光線治療器は効く」 の記事をご覧ください)
がん腫瘍マーカーは2種類、CEAとCA19-9です。CEAは基準値の3倍ほどありましたが、CA19-9は、普通の人の最低ライン以下で、「要記載」となっていました。
これだけみると、手術できないといわれた末期がん患者にしては、数値は少なくて、いったいどういう意味だろうと私は思ったのですが、数値というのはあまり気にしなくてもよいと主治医に説明されました。
個人個人により、もう死んでいてもおかしくないと言うほどの(数万とか)数字が出ても何年か生きていらっしゃる方もいれば、亡くなる直前まで数値が非常に低い方もいらっしゃるそうです。あくまでも、前後の数値と比較する参考資料であるみたいです。
そうですか、はあよかった、とまでは思えませんでしたが、まあ、数値は大きいより小さい方がなんとなく安心です。あくまでもなんとなく。
しかし、ペンライトで眼球の確認をしていたときに、たろ夫が、突然目が見えなくなった!くらっとする、頭がぼーっとする、と騒ぎだし、え、どうしたの?と一時騒然となりました。
もしかして、脳にも転移しているんじゃ・・・。びくびく。
予定していなかった脳のCTをとることになりました。
結局異常なし。本人曰く、「さっき、背中が痛かったから自分で筋弛緩剤の塗り薬バンテリンを塗った、その手で目をこすってしまったからそれが入ってしまったんだろう」、とのこと。
もう、心配させないでよ~。
しかしこの時のたろ夫はまだがん宣告のショックを引きずっており、精神的におかしくなっていたため、さあ、抗がん剤!とはなりませんでした。
本人の希望で、カウンセラーの方に来ていただき、話を聞いてもらうという取り計らいをしていただきました。
「がん告知を希望しないと書いたのに、告知され、余命宣告までされた。ショックで精神が不安定だ」と。
カウンセラーの方も、なにやらなだめすかしたようですが、病院の批判はできません。責任問題に発展したりしても面倒でしょうし。やはり立ち直るには時間が必要でした。こればかりは、すぐに立ち直れるものではなかったのだと思います。
医師に対して思うことは、がん宣告、余命宣告は、やめてほしいとは言いませんが、言い方とタイミングを、もう少し考えてほしいと思います。
まあ、がん宣告をしたのは消化器外科医で、今後お世話になるのは腫瘍内科医ですので、内科の先生とは軋轢はなくてよかったんですが。
話を聞いてもらったところで、本人も、今そんなことを言っても始まらないことを受け入れるしかなく、それでは、抗がん剤投与と行きましょうか・・・となりました。
それで結局入院して5日後に、やっと抗がん剤を点滴してもらいました。そして、予想していたことではありますが、下痢、嘔吐、食べ物を見ただけで吐き気を催す、脱毛などの副作用に苦しみ、更に3日入院しました。
「比較的」副作用が少ない方を選んでこれだから、もっと強いのを選ばなくてよかったね・・・と話したものです。見ていてかわいそうなくらい、できるものなら代わってあげたいと思うくらい、それはそれは壮絶でした。
そして、来週はもっと抗がん剤の量を減らす、と主治医の先生が約束してくれました。
たろ夫曰く、「あの頃は本当にきつかった。もうだめかと(耐えられないかと)思った」と振り返る、地獄の2,3ヶ月の始まりでした。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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