抗がん剤第一治療の第2回目です。初回の副作用がかなりひどかったので、かなり心身ともに疲れていたたろ夫ですが、すぐに1週間経ち、第2回目の日がやってきてしまいました。
血液検査をして、多少問題はあるものの、抗がん剤は受けられると言うことになりました。よかったとはいえ、また副作用に苦しまなければならないという覚悟がいります。
今回は入院ではなく、当日点滴投与、帰宅ということでした。
2時間半程度の点滴というのは、すい臓がん患者の中では非常に短い時間であると看護婦さんに説明され、ちょっと喜んでいたたろ夫でしたが、喜びもつかの間、帰宅してからまた激しい副作用が襲ってきました。(この頃は、抗がん剤投与の半日後ぐらいから副作用が始まっていました。)
とにかく嘔吐、下痢、食べ物を見ただけでおえーっとなる。これが一番ひどかったです。
何度も何度もトイレに駆け込む。下痢のしすぎで肛門が腫れる。食事も全くのどを通らない。おそるおそるぬるま湯をすすってみる・・・。そんな感じでした。
それで、第二回目は、当日投与の日帰りだったのですが、あまりの副作用のつらさに耐えきれず、3日後になって、「病院に連れて行ってくれ・・・」と。
本来決して弱音を吐かないたろ夫が、そして運転が下手な私に決して運転させないたろ夫が、絞り出すような声で頼んできました。
急患で大学病院にかかり、とりあえず入院することになりました。
着いてすぐ、緑色の胆汁を吐いたときは、私まで泣きそうになりましたが、吐き気止めや生理食塩水などの点滴をして少しは落ち着いてきて、ほっと安心しました。
前回の抗がん剤180ccの量を、100ccまで減らしたにもかかわらず、またもやこれほど強い副作用に襲われてしまいました。
そういうわけで、第2回目の投与も、順調とはほど遠く、これからどうなっていくのだろうと、どうしようもない気持ちになったことを覚えています。
ただ、言い忘れていましたが、背中の痛みは、トラムセットという痛み止めの薬を6時間おきに飲むことにより、コントロールできるようになり、これは本当にありがたいことでした。痛み止めのおかげで、ずっと原因不明で苦しんでいた背中の痛みが大幅に緩和されたのですから。
点滴を受けているとき、同じ処置室で点滴をしていらっしゃる他の患者さんと会話をすることがあります。(皆さんすい臓がんです。たろ夫より年が若い方の方が多く、40代のお母さんが「小学生の子がいるのにその子をおいて死ぬわけにはいかない!」等と、本当に皆さんの話を聞いていると切なくなります。)
お気の毒なことに、みんな、背中や転移した部分が痛い痛いと苦しんでおられる中、なぜかたろ夫はトラムセットを飲むだけで痛みがなくなっていったのです。
治療を始めて2ヶ月後ぐらいだったでしょうか、主治医に、「背中が痛くないのですが、トラムセットは飲まなければならないのでしょうか」、と聞きました。
「いえ、痛くないのなら飲まなくていいですよ」、と言うのが答えでしたが、いざとなると、やっぱり飲まなかったら痛くなるかもしれないという恐怖があり、様子を見ながら徐々に減らしていきました。
治療をはじめて3ヶ月後くらいには、全く痛み止めを飲まなくても背中もどこも痛くないという状態にまでなりました!
ですから、この点ではたろ夫ちゃんは本当によかったよね、幸せだね、といつも話しています。私も何年も腰痛に悩まされましたから、痛みを抱えながらの生活がどれほどつらいか、生きているのがつらくて惨めになってしまう気持ちもよくわかるからです。
そしてこの頃から、意識して楽しく過ごすようになってきました。
笑ったり、無理に笑顔を作るだけでも、NK細胞(体内に存在する、がんを殺してくれる細胞)が3割増えるというのです。素晴らしい、人体の不思議です。
それを知ってからというもの、ちょっと何か言い争いが生じそうになったらすぐ、「NK細胞、NK細胞!」と言って口論をストップさせるようになりました。
ちょっとでも、寿命を延ばさないといけませんからね。けんかしてる場合じゃありません。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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