北海道旅行が悪天候のためキャンセルになり、家で天気のニュースを見ているたろ夫。
北海道のどこどこはマイナス15度、どこどこは20度、と、すごいことになっている報道を見て、本当に命拾いしたと思っているようです。
そしてもう一つ、命拾いしたと思っていることがあります。
飛行機に乗っている最中に、着陸を試みたとき、「ドーン、ガーン!」という激しい音がして、ピカッと光ったときがあったんです。雷だったのかよくわかりません。でも、とにかく怖かったです。
その後引き返すというアナウンスがなされたとき、みんながブーブー言わなかったのは、このよくわからない大きな衝撃で、みんなも命の危険を感じたから、と言うのもあると思います。
私もすごく怖かったのは怖かったのですが、たろ夫も、とっても怖かったようで、無事に帰ってこれてから、何だか人間が円くなって気持ち悪いんです。
「怖い思いをさせてごめんね。」・・・素直で優しい・・・。
別のことで、私がぶりぶり言っても「つらい思いをさせたね、ごめんね。」
「ありがとう」「ごめんね」を繰り返すんですよね。どしたのたろ夫ちゃん。
義母がリウマチで亡くなる最後の5年くらい、それまでは年中義父の文句をたらたら言っていた義母の性格が変わって、「今が一番幸せ。父さんと結婚できて幸せ。」と言うようになったのを思い出します。
体は不自由になり、強い痛みもあったのに、義父に優しく介護してもらえて、本当にうれしかったのでしょう。健康やお金があれば人間幸せってもんじゃありません。
人間って、亡くなる前は優しくなるのかしら?
精神科医のキューブラー・ロスは、余命を知らされたような末期の患者の精神状態を5段階に分けています。
1,否認と隔離 2,怒り 3,取引 4,抑鬱 5,受容
たろ夫も例に漏れず、1~4を経てきました。
何かの間違いだ!どうして自分が?絶対助かる方法があるはずだ!死にたくない!
そして今回、死ぬかもしれないという疑似体験をした後、5の、受容に入ったのかな、と思います。最期の最期までけんかしたくありませんから、このまま平和に過ごしたいです・・・。
昨日24日、北海道のいとこと電話で連絡を取り、キャンセルになってよかった、たろ夫は命拾いしたと思っている、と話したら、向こうも、「うちの主人も、たろ夫ちゃんは死なないだべさ、って言ってたさ。」←旭川弁。
それをたろ夫に伝えたら、「そうかぁ、優しいなあ~。」(←素直だねえ~)
「それでたろ夫ちゃんは元気なの?」と聞かれたので、「最近しばらく抗がん剤を打ってないから元気。抗がん剤をやると、副作用で大変具合が悪くなるんだ」と説明すると、
「じゃあ6月頃、うちに来る前までがんがん抗がん剤打って~、うちに来る時に合わせてやめたらいいベさ。」
がんがん抗がん剤打ってはだめだべさ~。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
↑不老不死の薬があったらいいね~
↑認知症の最期は優しいとは限らないね~