「ガンの見落とし」という話題は、とりわけすい臓がん患者にとって、ダークな話題ではないかなと思います。皆さん、興味はあっても触れないのかな。この記事の内容も、NK細胞の増殖には役に立たない(明るくない)ものです。
がんが見つかったときにはもう時すでに遅し、という患者が最も多いすい臓がん。
たろ夫の場合もそうでした。背中が痛いと言って、外科、整形外科、胃腸内科、整骨院、など、いろいろ検査してもらっても原因が分からず、最後やっとわかったときには「すい臓ガンです。手術できません。余命1年です。」 「・・・。」
これを書いていること自体、力のいることです。今、過去を振り返っても仕方がないことなので、余計な労力は極力使いたくはないです。
ただ、先日書きました自分の『乳がん事件』で、「自分の場合は助かってよかった。感謝。」で、終わっているという風に受け取られるのもなんだかいやだな、と思いまして、少し触れておきたいと思いました。
たろ夫にがんが見つかったころ、ちょうど俳優の今井雅之さんも、大腸がんを公表なさって、亡くなってしまわれました。この方も、最初にかかった病院では、『腸の風邪』と言われた、ということをおっしゃっていました。まあ、最初はすぐには見つけてもらえなかったんですね。いろいろと症状はあったのに。
でも、たとえ、最初(判明の2か月前)に大腸がんが見つかっていたとしても、結果は変わらなかっただろう、数か月延命ができた程度だ、という論調が主流でしたので、そうなのか、2か月の差は大したことはないのか…。とその当時は思いました。
しかし、その後、たろ夫のすい臓がんについて知るために、『消化器診療の疑問、これで納得!レジデントノート増刊号』を読んでいましたら、血液検査について述べられている箇所で、こんなくだりがありました。
本症例は当院での精査後、肺転移を伴うStage 4bの膵体部癌と診断した。初回検査時に症状がなかったため前医で精査が行われず、2か月後の再検で(ガン腫瘍マーカーの)上昇がみられてから精査が行われたため、病気が進行してしまった症例である。膵癌は1か月経つと進行し切除不能になることも多いので、心して精査する必要がある。
紫色の部分は、書籍そのものでも太字で強調されています。
これを踏まえて、たろ夫の場合を考えてみますと、がんが見つかる5週間ほど前にも、胃腸内科にかかって、エコーの検査を受けていました。でも、ガンは見つかりませんでした。
非常に残念ですが、そこの病院、そこそこ昔からある開業医院で、使っていた超音波機器もきっと最新のものではなかったというのも一因であろうと思います。
医療機器も、どんどん新しく、精度の高いものが出ています。古いものだと…見えるものも見えないでしょう。
それから、エコーというのは、CTなどとは違って、熟練した技が求められるものだそうです。
その時点での大きさがどれくらいであったのか、今となっては知る由もありませんが、(エコーの結果を見せろ!と迫って、仮に見せてもらったところで、時間は戻りませんしね…)その時見つけていたら、きっと手術はできていたんじゃないかな、とは思います。
人それぞれ、どんな症状であったか、どの規模の病院にかかったか、どんな検査をしたかによっても思いは様々だと思います。今井さんの件も、麻央さんの件も、もちろんたろ夫の件も、とても残念です。
今はただ、少しでも長く、たろ夫が元気でいてくれたら、と願う毎日です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
↑他の方々の経験も、とても参考になります。

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