たろ夫の毒虫から刺されたような激しいぼっこりした腫れは和らいできました。石のように硬かったのですが、石が砕かれたような感じになっています。さすが、最強のステロイド剤でした。
ところで、最近の医療のドラマを見て、思い出したことです。
たろ夫が「告知は希望しません」と明記していたのにあっさり告知されてしまった、と言うのは本当です。
問診票に記入するとき、「告知を希望しますか」はい・いいえという欄がありました。たろ夫はこういうことになるずっと前から、自分はがんになっても知りたくない、聞きたくない、と言っていました。
ですから、『いいえ』をしっかり選択していたのですが、外科医が見落としたのです。
今どき、本人に告知するのが主流ですし、告知しなければ治療が進められない、など、現実的な問題は確かにあります。
あの場で、「奥様だけ来てください」と言われていたとしても、どう考えても、どう考えても、がんだって本人もわかったでしょうしね。
しかし、問診票に患者の意思を確認する項目があり、それをはっきりと表明したのですから、病院側には患者の自己決定権を尊重する義務があります。
この件に関しては、たろ夫は最初、ショックのあまり、初めての抗がん剤投与のために検査入院していた時に、心理カウンセラーに来ていただいて、自分の心情を吐露していました。
本来ならば、これは一つの医療ミスです。しかし、心理カウンセラーも結局大学病院側の人間ですので、ことを荒立てまいと、たろ夫をなだめすかして、特に何の対処もせず終わりました。
人一倍臆病なたろ夫は、(ジャイアンそっくり。いばっているけどとても怖がり)このショックをずっと引きずっていました。QOLに悪影響を及ぼしました。
病院に、苦情を申し立てたりしたなら、見舞金、解決金、あるいは示談金などの話になったのでしょうが、心はお金には代えられません。覆水盆に返らず、です。
そういうわけで、病院側には何の苦情も申し立ててはいませんが、おそらく心理カウンセラーは、たろ夫の話を聞いて、ちゃんと、病院側のしかるべき人間に伝えているのではないかと思うのです。
これは、報告すべき事案だからです。
でも、病院からは、何の謝罪もありません。問診票を見落として、告知を行った、凄腕外科医からの謝罪もありません。
大病院ですから、誤りを認めてしまえば問題が大きくなることもあり得るので、こちらから苦情を申し立てない限り、自分の方から謝ってくることはないでしょう。
システムがどうとか関係なく、「ごめんなさい」と、心から謝ってくれれば、たろ夫の気も晴れたかもしれないな、と思います。
この件は、主治医(腫瘍内科の先生)もご存知ですが、こちらも知らぬ顔です。
精神安定剤など処方してほしかったのですが、それをやってしまうと、病院側の非を認めてしまう、と思ったのかどうかはわかりません。
痺れがひどかったのに、痺れに効く牛車腎気丸も処方してくれませんでしたので、ただ単にQOLに関心を持ってくれていなかっただけかもしれません。
(それはそれで、・・・・・・・。)
もう、終わったことは仕方がないことなんですが、今後、また、医療ミスが出てしまったらどうしようか、と、そちらの方も心配なんですよね。
こちらはたろ夫を病院に「人質」に取られているようなものなので、どうしても立場が弱いです。どうしたものでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
他の方の経験もとても参考になりますよ。
↓ぜひ行ってみてください。