『介護と仕事をじょうずに両立させる本』を読了しました。
この本の半分以上は、「今の仕事をやめて介護に専念するのはちょっと考えなおそう‼」「こんな方法もあるよ」「あんな方法もあるよ」と、様々な方法を提案してくれている内容でした。
法的な、社会福祉制度の紹介や、「ケアハラ」と呼ばれる周囲の無理解などにどう対処するか、興味深い内容でしたが、わたしの関心は目下、
「看取り」です。
この本の後半の内容をご紹介いたします。
本人の意向を元気なうちに聞いておき、書いておくと、終末期の医療の選択で介護者間でもめた時、決定に役立ちます。また本人の意思が変わることもあるので、介護が始まるときに、再度聞いて、書いておくことも大切です。聞いておくのは次のようなことです。
●病院で死にたいか、自宅で死にたいか。
●どんな看取りがいいかー家族に囲まれていたいか、静かに一人でいたいかなど。
●延命治療を受けるかどうか。
●胃ろう、人工栄養(中心静脈栄養、点滴)人工心臓、透析、これらを知っているかどうか、したいかどうか。
●終末期に入ったとしたら、どんなことがしたいか。誰に会いたいか。
[介護する家族であらかじめ、あるいは看取りの時に、話し合っておく]
本人の意思の通りにするのが一番納得のいく看取り方ですが、本人の意思が確認できてないような状況で看取りが始まったときに、どう対処するのかを家族や親戚で話し合っておくと、いざと言うときに慌てずにすみます。
●延命治療を本人が望むか、望まないかを本人に聞いたひとが、みなに伝える
●延命について本人の意思に従うかどうか
●会いたいひと、したいことを尊重するかどうか
●救急車を呼ぶかどうか
↑救急車は延命のためにあるのですから、呼べば自動的に延命措置が始められ、人工呼吸の装着、気管切開などが行われます。それから意識のないまま、何日か何か月後に亡くなると、家族は「苦しめたのではないか」と後悔したり、兄弟姉妹間で争いになったりもします。
元気なうちに、「終末期医療の選択」を聞き、書いておくと、医療機関に運ばれても、延命治療をストップすることができます。
とはいえ「終末期医療の選択」で無理な延命を止める法律はありません。
しかし、以下の二つは効力があります。
1、尊厳死宣言公正証書
2、日本尊厳死協会
詳しい内容は↓をご覧ください。

仕事を辞めなくても大丈夫! 介護と仕事をじょうずに両立させる本
- 作者: 飯野三紀子
- 出版社/メーカー: 方丈社
- 発売日: 2018/05/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そのほか、自宅で利用できるサービスも、一部ご紹介しますね。
福祉用具貸与 車いすや電動ベッド、歩行器、床ずれ防止のマットなどを専門業者から借りる
特定福祉用具購入費支給 介護に特殊な物品、便座や特殊尿器、入浴補助具、簡易浴槽などの購入費が支給される
居宅介護住宅改修 手すりの取り付け、段差の解消、和式便器から様式に変える、などなど住宅の改修に20万円まで支給される
訪問入浴介護 訪問入浴者で看護師と介護士が訪れ、湯船を運び込み、血圧や体温を測り安全に入浴させてくれる
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 介護者が就業で不在の時に、24時間の介護、看護に対応。緊急時も電話で対応し、訪問介護スタッフと訪問看護師がチームで連携を取りサービスを提供。
一応自分の覚書のためにも書いておきました。
「たろ夫の場合」を書くのは控えておきますが、ガン患者はがんの進行が進むにつれ、合併症として血液凝固が亢進して脳梗塞になる方も多いようです。(卵巣がん、すい臓がんなど)
脳梗塞で倒れた後、一命をとりとめたものの、寝たきりに。首のところから栄養点滴をずっとやり続けて、もう、自分で食事をとることは出来なくなった、だがしっかり意識はある…など、結構判断に悩むケースもあります。
患者に痛みがあってもそれを本人が伝えられなかったらどうするのでしょうか。
本当に、他人事ではありません。