10月12日(金)。今日、たろ夫から電話があり、「主治医が今後のことでご家族を交えて話をしたいから、午後に来てもらっておいてくださいと言われた。」とのこと。母きんたろうと12時ごろ、おでんを持っていきました。
朝食のパンは、「ほとんど全部食べた。」というたろ夫。
本当に?全部?とさらに何度も突っ込んで聞いてみると、「耳の部分は残して、柔らかいところは全部食べた」のだそうです。
別に、それはそれでいいのだけど、「ほとんど食べた」と表現する父たろ夫は、本当にポジティブです。
お昼食べられたのは、持って行った大根一口、厚揚げ一口、煮卵半分、病院食のジャガイモ2かけ、でした。
午前中、理学療法士と一周70メートルの体育館を休み休み2週も歩いたそうで、今日はぐったり疲れていました。
しかしある意味、すごい回復だとは思います。数日前まで「歩けない」と言っていた状態から、140メートル歩けたので。ちょっと頑張りすぎではないだろうか。
たろ夫は主治医と事前に話し合いを持ったようで、「胸水が増えてるって。息が苦しくなってきた。」と言いました。
それから看護師さんがやってきて、今まで行っていた輸液や麻薬と吐き気止めの点滴を止めるので、「これからは飲み薬、今までの2倍飲んでください。」と言われ、家では麻薬「ナルサス2mg」を2錠飲んでいたのが、ナルサス2mg1錠と、ナルサス6mg1錠になりました。
4ミリグラムから8ミリグラムになったということです。
(下の機械が麻薬の点滴量調節器)
退院に向けての準備なのだな、と思いながら見ておりました。本気で退院させるのか。
そして間もなく主治医登場。
「たろ夫さんの胸水がまた増えています。抜いても1週間でまた増えるし、栄養も抜けるから、このままで行きましょうとたろ夫さんと話しました。」
(え?先月の説明の時、何か問題があったら必ず処置するから心配するなって言ってたのに。前回のドレーンよりもう少し細いチューブで胸水を抜くって言っていたのに。なんで?)
と思いましたが、父たろ夫が納得済みだったので何も口を挟めず、黙っていると母きんたろうが、
「今どのくらい溜まっているんですか。」と質問しました。
「前回の時は5リットルくらいでしたが、今はマックスなので、5,6リットルですね。」
「これ以上増えたらどうなるんですか。」
「今がマックスなのでこれ以上は増えません。」
???そうかな??さらにどんどん左側が圧迫されていくんじゃないのかなと思いましたが、わたしは口をはさみませんでした。右肺は破裂しないのだろうか??分からん。と思いながら。
わたしと、この主治医との関係は何もできておらず、正直、あまり好きではありませんでした。過去に、延命につながらない抗がん剤タルセバを提示してきた方ですし。
脳梗塞が発見できた時も、わたしが手紙を速達で出したことがきっかけだったけど、そのことに関しても一切触れてこないし、今回も家族と話し合うと言いながら、既にたろ夫を自分の考えに同調させて丸め込んでいる感じがして、どうも気分は良くなかったです。
昨日は、たろ夫はベッドに座って口だけはべらべらしゃべっていましたが、今日はぐったりしていて、もうしゃべる気力もありませんでした。140メートル歩いた代償でしょう。
持って行った新聞にも目を通す元気がありませんでした。
それでも、主治医は本当に退院させるつもりでいて、「たろ夫さん、7,8割食べられるようになったから、あと一回は家に帰れるんじゃないかと。」とおっしゃったんです。
「あと一回ですか」と、内心めちゃくちゃショックを受けているたろ夫。
わたしは(いや~、食べたのは7,8割じゃありません、1,2割ですよ。)と思いましたが、これも言いませんでした。本人は退院したがっているし、どうせ、持ち込みの食べ物を食べるのだったら在宅で食べればいいし、緩和ケア病棟に移ってそちらで食べてもいいと思ったので。
しかし、今思うと、たろ夫は「退院したがっている」のではなく、「生き続けたいと思っている」が正解だったんですよね・・・。こればかりは、どうしようもなかった。
先生のご意向は、一旦退院して、次は緩和ケア病棟を受診してくださいね、ということでした。
まあ、父たろ夫本人が「お任せ患者」であったのだから、仕方あるまい、と、帰りの車中で母きんたろうと話しました。
それでも、胸水を抜いてもらえなかったら苦しくてかわいそうだ!とわたしと母きんたろうは考えまして、「悪性胸水に関する緩和」のガイドラインを検索して読んでみました。
すると、こう書かれていました。
悪性胸水による呼吸困難を有するがん患者に対して、呼吸困難を緩和するために胸腔穿刺ドレナージを行うことを推奨する。ただし、胸水再貯留のため、頻回の胸腔穿刺ドレナージが必要となる場合は、気胸、膿胸、胸腔内隔壁形成などの合併症の原因ともなりうる。そのため、予測される生命予後が短く、全身状態が不良な症状では、呼吸困難に対する薬剤での対応を行いつつ、胸腔穿刺ドレナージの必要性を慎重に検討することにする。
相変わらずマニュアル通りの主治医だね。しかし、主治医の方針に同意せざるを得ず、同時に、たろ夫をとても不憫に思いました。
息ができないのは苦しいよね……
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