毎日食事には気を付けている。濃度の濃い豆乳を飲んだり、(コレステロールが高いのでそれにも効果がある)納豆をなるべく毎日食べたり。
青魚もかなりの頻度で食べている。リンゴも毎日食べている。
自分で料理し、油の使用は極力少量に抑えている。揚げ物はしない。
ファーストフードはまず食べない。
今まで、わたしは消化器がんにはなりにくいだろうと思っていた。
根拠の一つは、5年くらい前に胃カメラの検査をしたとき、「あなたのような人は胃がんにならない」と言われたから。胃壁がとてもきれいだったようだ。ピロリ菌もなかった。…はっきり言って薄い根拠だが。
また、大腸がんに関しては、わたしは非常に便通が良い。便秘にならない。逆に下痢気味ですらある。なのでなんとなくよかろうと思っていた。…もっと根拠に乏しい。
しかし、父が膵臓がんで亡くなってしまったので、今後は少し膵臓に気を付けた方がいいかもしれないと思った。
気を付けるといったって、特にすぐに役立つ方法があるわけではない。というか、あったら教えてほしい。なるべく歩く、運動する、陽光を浴びる(シミは作りたくないので帽子は必須)くらいのことは意識している。
免疫力アップが重要だと認識している。
今季は暖冬であったとはいえ、それでも外は寒かったので、ここ数か月はあまり歩いてもいなかった。なんとなく、2月から頑張ろうかと思い立ったところ。
実は結構気にかけているのは婦人科系の病気である。まだ20代であったころ、子宮外に巨大な腫瘍ができた。3100グラムを超える、大きい赤ちゃんサイズの腫瘍を、開腹手術をして取り出した。良性ではあったが、ここまで大きくなるまで気が付かなかった自分に驚いた。周りの人も驚いた。
時に十代の少女がこっそりトイレに赤子を産み捨てた、などというニュースを聞くと、ほとんどの人は「家族は絶対妊娠に気が付いていたはずだ!」と思っていると思う。
だが自分自身の経験を通して言えることは、「隠そうと思えば隠せる」ということである。(いや、わたしは妊娠ではなかったが)
「おなかが出ている」という自覚はあったが、人と会うときはいつも腹筋に力を入れおなかを引っ込めていたため、だれにも気づかれなかった。腹筋運動をして腹を引っ込める努力をし、「おなかは出ているけど、癌だったらガチガチに石みたいに固いそうだから、これは癌ではない。」という推論に基づき、わたしはがんではないとの確信を持っていた。
その結果、婦人科の病院にかかるのが遅れ、気づいたら開腹手術になってしまった。
今でも時折、腸の癒着らしき痛みや、卵管あたりの痛みを感じる。臓器が空気に触れるとそうなる。
当時は良性の腫瘍というものの存在を知らなかった。なかなかのアホっぷりである。
話は戻り、もう一つの婦人科系疾患、乳がんであるが、これも毎年病院にかかって検査を受けているし、自分でも時々チェックしているので大丈夫だと思う。良性の嚢胞やら繊維腺腫やらは結構たくさんあるけど。仮に乳がんが見つかったとしても、乳がんで命を落とすことは少ないと思う。
しかし、わたしには子がおらず、ダーリンは自分で働いて食べていくことができるので、逆にわたしが死んだとしても誰も困らない。
わたしが死んだら、ダーリンをもらってくれる人がいたらありがたいわーと願う。働き者で、きれい好きで几帳面、わたしの前でおならをしないジェントルマンで、皿洗いも毎回してくれる、かなりのおすすめ物件である。
唯一、目が一重であることだけが好みではなかったわたしは、結婚した後、目を二重にするのりを買ってきてダーリンの瞼に塗ってみた。しかし効果がなかったため、もっと高価で強力なのりを買ってきて再度塗ってみた。
だめだった。そうしているうちに、本来温厚なダーリンが怒り出し、「親からもらった体をそんな風に扱うもんじゃない!」と、真剣に嫌がっていることが伝わってきたので、二重のイケメン造成計画は挫折に終わった。
ダーリンが二重になったら超イケメンなのに、と残念である。
…誰ががんになってもおかしくない時代、大切な友人がまた一人がんになった。若い男性である。発見が遅すぎた。どのくらい延命できるか不明である。
幼い息子は事の重大さがわかっていない。母親も、言えるわけがないのである。
…その子のために折り紙でカブトムシを作った。
わたしにはそれくらいしかできることがない。ほかに何ができるというのだろう。