きんたろうの家 医療過誤★すい臓がんのブログ

  すい臓がん3年間の闘病記と、医療過誤・・・

発見が早かったら何か変わっていたか 第3回

すい臓がんの腫瘍の大きさに関して言えば,前回の説明のとおり,「膵癌は1か月発見が遅れれば手術できなくなる」という通説を裏付ける進行具合でした。発見が早ければ術前化学療法を行い,周囲の血管への浸潤の具合によっては十分手術はできていたのではないかと思います。

 

 父の場合は手術できないと言われたため「アブ&ジェム」を第一治療として選択しましたが,手術の可能性があったらなら間違いなく「FORFILINOX」を第一に選んでいましたし,第二治療として選んだFORFILINOXは父には劇的に効きました。

 

ただ,膵癌と診断されたその時点で肺に6ミリ程度の結節がCT検査で指摘されていました。抗がん剤を3か月投与した結果その結節が縮小したため,この結節は「がん」であるという事になり,結局膵癌が分かった時点ですでに「遠隔臓器に転移しているステージ4b」であったという事がわかりました。

 

f:id:suizougan:20211210204834p:plain

6ミリのがん腫瘍が50日前にどれくらいの大きさであったかは正確にはわかりませんが,いくらすい臓がんの進行が速く,転移性がんの進行はさらに速いとはいえ,「6ミリ」は50日前には肺には転移していなかったと主張することができる大きさではありません。

 

直径25ミリの膵癌が35ミリになるのは50日あれば十分ですが,「いつ」肺に転移したのかは証明できませんし,肺に転移した目に見えないほど小さな小さながん細胞が6ミリにまで大きくなるまでには絶対に50日以上かかっていることでしょう。

 

そういう理由があったため,本件に関して言えば40万円払えば弁護士に委任する前に第三者専門医に詳細な見解を聞くこともできましたが,そこまでしませんでした。結局のところ「50日前に発見できていたとしてもステージⅣbであった」というのが私個人の結論です。(お金払わんでもわかる。)

 

ただ,50日発見が早かったならば術前化学療法によって小さな肺転移は撲滅出来ていたかもしれませんし「手術」「肺がんの凍結」「重粒子線療法」「トモセラピー」といった治療法も選択肢として残されており,更なる延命も望めたとは思っています。

 

 

www.kintaro-o.com

 

膵癌の平均余命はざっくり1年,父は約3年延命できましたので,ある外科医は「手術しなかったからそれほど延命できたとも言える」と言いましたが,膵癌の肺転移は特殊な部類で,それも1か所のみの転移であったため,約3年延命というのは奇跡的でも何でもなく,想定の範囲内であったと思っています。

 

膵臓がんの肺への転移は比較的予後がいい?オリゴメタ(少数転移)の可能性 | 「がん」をあきらめない人の情報ブログ (satonorihiro.xyz)

 

そして何より,父本人の生きる希望として,一か八かでも,つらくて痛い思いをしてでも手術したいという本人の願いをかなえてあげたかったです。

 

生前のたろ夫のブログを読んでくださっていた方なら,父がどれほど生き延びることに必死であったかご理解いただけると思います。(そのせいでこちらが病みました……

 

しかしどれもこれも,医療裁判となれば恐ろしいほどガチガチのエビデンスを出さなければならないため,「平均余命ざっくり一年」を覆すほどの説得力はないと判断しました。

 

このように,「50日発見が早ければ手術できていただろうし,さらに延命できていただろう」と思ってはいますが強く主張できるほどのエビデンスがなく,結局タラレバの世界だからな……と,歯切れの悪さが残りました。

 

法律家のいうところの「発見が早ければ更なる延命が期待できた高度な蓋然性がある」とまでは証明できない,と結論しました。

 

 

 

みなさまの応援クリックで元気が出ます!

 にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ にほんブログ村 病気ブログ 医療事故・医療訴訟へにほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ